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介護福祉士実務者研修について

いつもお世話になっております。
前回は介護職員初任者研修をお伝えしましたが、今回はひとつステップアップした資格である、介護福祉士実務者研修をご紹介いたします。

 この記事を読むべき人は?

 職場内でキャリアップをしたいと考えているスタッフ様

 介護業界へ就職や転職を考えている方

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介護福祉士実務者者研修とは

介護福祉士実務者研修(以下、実務者研修と記載)は、「介護福祉士国家試験」を実務経験を積んだ上で受験するために。介護の実務経験3年と併せて終了することが義務付けられた研修です。この資格を取得することでサービス提供責任者として勤務することができます。
前回説明いたしました、介護職員初任者研修との違いは以下の3つです。
① 受講時間及び科目数の違い
  初任者研修は9科目(130時間)に対し、実者研修は20科目(450時間)です。
② 修了試験の有無
  初任者研修では、修了試験が必須ですが、実務者研修では全科目を修了することで資格取得が可能です。
  (別途試験を実施する養成施設もございます)。
③ 医療的ケアに関する知識の習得有無
  実者研修では、「たん吸引」・「経管栄養」という医療的ケアの基礎を学ぶカリキュラムがあります。

介護福祉士実務者研修の内容

実務者研修は、介護職員初任者研修よりも科目数が多く、より専門的に学ぶことができます。
カリキュラムの内容は、国によって決められており、どの都道府県で受講しても内容は変わりません。
また、取得した資格は全国各地で使用できます。
カリキュラムの概要は以下の通りです。

■カリキュラムの内容
 (・欄は到達目標)

1 人間の尊厳と自立(5時間)
   ・尊厳の保持や自立・自律の支援、ノーマライゼーション、利用者プライバシーの保護、
    権利擁護など基本的理念についての理解を深める。

2 社会の理解T(5時間)
  ・介護保険制度の体系、目的、サービスの種類と内容、利用までの流れ、利用者負担、専門職の役割などを
   理解して利用者に助言できる。

3 社会の理解U(30時間)
  ・家族、地域、社会との連携から生活と福祉を捉えることができる。
  ・社会保障制度の発達、体系、財源などについての基本的知識を習得している。
  ・障害者自立支援制度の体系、目的、サービスの種類と内容、利用までの流れ、利用者負担、
   専門職の役割などを理解して利用者に助言できる。
  ・成年後見制度、生活保護制度、保健医療サービス等、介護実践に関連する制度の概要を理解している。

4 介護の基本T(10時間)
  ・介護福祉士制度の沿革、法的な定義・業務範囲・義務などを理解している。
  ・個別ケア、ICF(国際生活機能分類)、リハビリテーションなどの考え方を踏まえて、尊厳の保持、
   自立に向けた介護を展開 するプロセスなどを理解している。
  ・介護福祉士の職業倫理、身体拘束禁止・虐待防止に関する法制度などを理解して、倫理を遵守している。

5 介護の基本U(20時間)
  ・介護を必要とする高齢者や障害者などの生活を理解して、ニーズや支援の課題を把握することができる。
  ・チームアプローチに関わる職種や関係機関の役割、連携方法に関する知識を習得している。
  ・リスクの分析と事故防止、感染管理など、介護における安全確保に関する知識を習得している。
  ・介護福祉士の心身の健康管理や労働安全対策に関する知識を習得している。

6 コミュニケーション技術(20時間)
  ・利用者や家族とのコミュニケーション、相談援助の技術を修得している。
  ・援助関係を構築し、ニーズや意欲を引き出すことができる。
  ・利用者の感覚、運動知識などの機能に応じたコミュニケーションの技法を選択し活用できる。
  ・状況や目的に応じた記録、報告、会議などでの情報の共有化ができる。

7 生活支援技術T(20時間)
  ・生活支援におけるICFの意義と枠組みを理解している。
  ・ボディメカニクスを活用した介護の原則を理解し、実施できる。
  ・介護技術の基本(移動、移乗、食事、入浴・清潔保持、排泄、着脱、整容、口腔清潔、家事援助など)を修得している。
  ・居住環境の整備、福祉用具の活用などにより、利用者の環境を整備する視点、留意点を理解している。

8 生活技術支援U(30時間)
  ・「移動・移乗「食事」「入浴・清潔保持」「排泄」「着脱、整容、口腔清潔」「睡眠」「終末期の介護」
   のそれぞれについて、利用者の心身の状態に合わせた介護、福祉用具などの活用、環境整備を行うことができる。

9 介護過程T(20時間)
  ・介護課程の目的、意義、展開などを理解している。
  ・介護課程を踏まえ、目標に沿って計画的に介護を行う。
  ・チームで介護課程を展開するための情報共有の方法、各職種の役割を理解している。

10 介護過程U(25時間)
  ・情報収集、アセスメント、介護計画立案、実施、モニタリング、介護計画の見直しを行うことができる。

11 介護過程V(45時間)
  ・実務者研修過程で学んだ知識、技術を確実に習得して活用できる。
  ・知識技術を総合的に活用し、利用者の心身の状況などに応じて介護課程を展開し、系統的な介護を提供できる。
  ・介護計画をふまえて、安全確保・事故防止、家族との連携・支援、他職種・他機関との連携を行うことができる。
  ・知識・技術を総合的に活用し、利用者の心身の状況などに応じた介護を行うことができる。

12 発達と老化の理解T(10時間)
  ・老化に伴う心理的な変化の特徴と日常生活への影響を理解している。
  ・老化に伴う身体的機能の変化の特徴と日常生活への影響を理解している。

13 発達と老化の理解U(20時間)
  ・発達の定義、発達段階、発達課題について理解している。
  ・老年期の発達課題、心理的な課題と支援の留意点について理解している。
  ・高齢者に多い症状・疾病などと支援の留意点について理解している。

14 認知症の理解T(10時間)
  ・認知症ケアの取り組みの経過を踏まえて、今日的な認知症ケアの理念を理解している。
  ・認知症による生活上の障害、心理・行動の特徴を理解している。
  ・認知症の人やその家族に対する関わり方の基本を理解している。

15 認知症の理解U(20時間)
  ・代表的な認知症の原因疾患、症状、障害、認知症の進行による変化、
   検査や治療などについての医学的知識を理解している。
  ・認知症の人の生活歴、疾患、家族・社会関係、居住環境などについてアセスメントして、
   その状況に合わせた支援ができる。
  ・地域におけるサポート体制を理解して、支援に活用できる。

16 障害の理解T(10時間)
  ・障害の概念や障害者福祉の歴史を踏まえて、今日的な障害者福祉の理念を理解してる。
  ・障害(身体・知的・精神・発達障害・難病など)による生活上の障害、心理・行動の特徴を理解している。
  ・障害児(者)やその家族に対する関わり・支援の基本を理解している。

17 障害の理解U(20時間)
  ・様々な障害の種類・原因・特性、障害に伴う機能の変化などについての医学的知識を修得している。
  ・障害児(者)の障害、家族・社会関係、居住環境などについてアセスメントして、その状況に合わせた支援ができる。
  ・地域におけるサポート体制を理解して、支援に活用できる。

20 こころとからだのしくみT(20時間)
  ・介護に関係した体の構造や機能に関する基本的な知識を修得している。

21 こころとからだのしくみU(60時間)
  ・人間の基本的欲求、学習・記憶などに関する基本的知識を修得している。
  ・生命の維持・恒常、人体の部位、骨格・関節・筋肉・神経、ボディメカニクスなど、
   人体の構造と機能についての基本的知識を修得している。
  ・からだのしくみ、心理・認知機能などについての知識を活用して、アセスメント、観察、介護、他職種との連携が行える。

22 医療的ケア(50時間)
  ・医療的ケアを安全に実施するための基本的知識を理解している。
  ・医療的ケアに関連する法制度や倫理などを理解している。
  ・感染予防、安全管理体制などについての基本的知識について理解している。

今後のキャリアパス

実務者研修を取得することで、サービス提供責任者として働くことができます。 サービス提供責任者は、役職手当など給与アップや転職の際の選択肢が広がるだけでなく、マネジメント業務などの重要なポジションに就くことができる可能性があります。
また、より上位の介護福祉士をめざせるようになることもメリットのひとつです。2016年以降、介護福祉士を受けるのには3年以上の実務経験に加えて実務者研修の修了が必須となりました(養成施設や専門学校へ通う場合を除く)。
そのため、実務者研修は、今後のキャリアップを図る上で、必要な資格と言えます。

おわりに

本日は、介護資格に関連する情報をご紹介いたしましたが、
引き続き、介護職員を目指す方やキャリアップを目指す現職の方にとって、有益な情報をご紹介して参ります。

スマイリオでは今後も、介護事業者様に寄り添った情報を発信していきますので、引き続きご愛読を宜しくお願いいたします。