LIFE(科学的介護情報システム)の基本を解説!加算取得の検討にお役立てください。

LIFE(科学的介護情報システム)の基本を改めて解説!加算取得の検討にお役立てください。


お世話になっております。

皆さまは、「LIFE」や「科学的介護」という言葉を耳にしたことはございますでしょうか。
本日は既にご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、改めて科学的介護に関する認識を深めて頂きたく、LIFE制度についてご紹介いたします。

 この記事を読むべき人は?

 改めて積極的な加算取得を検討したい管理者様

 LIFE(科学的介護システム)についての理解が十分ではないと感じる方

■科学的介護とは

科学的介護とは、介護実施者の経験ではなく、科学的裏付け(エビデンス)に基づいて提供される介護を指す言葉です。

厚生労働省のシステムを活用し、実際の介護現場から収集した様々なデータの蓄積・分析を行い、分析の成果を介護現場にフィードバックすることで介護の質を向上させる目的があります。

※詳細は、下記資料をご確認下さい
 厚生労働省:「科学的介護情報システム(LIFE)による科学的介護の推進について

■LIFE(科学的介護情報システム)とは

LIFE(科学的介護情報システム)とは、LIFEが運用される前の「VISIT ※1」と「CHASE ※2」を統合したシステムです。

介護サービス利用者の状態や、介護施設・事業所で行ってるケアの計画・内容等を一定の様式で入力すると、インターネットを通じて厚生労働省へ送信され、入力内容の分析結果が、当該施設等にフィードバックされます。

LIFEにより収集・蓄積されたデータは、フィードバック情報として活用できるほか、施策の効果や課題などの把握、ケア計画・内容の見直し等、分析に活用でき、 介護事業所においてPDCAサイクルを回すためのツールとして活用が可能です。

LIFEにデータが蓄積され、分析が進むことにより、エビデンスに基づいた質の高い介護の実施に繋がる為、リハビリテーションの効果アップや栄養状態の改善が見込まれ、日常生活の自立や要介護状態等の軽減又は悪化防止の実現が期待できる部分がこのシステムの特徴です。

※1「VISIT」とはmonitoring & eValuation for rehabIlitation ServIces for longTerm careの通称で、通所・訪問リハビリテーションデータ収集システムのこと。2017年から、通所リハビリテーション事業所や訪問リハビリテーション事業所から、リハビリテーション計画書等の情報を収集している

※2「CHASE」とは、Care, HeAlth Status & Eventsの通称で、齢者の状態やケアの内容等データ収集システムのこと 。2020年からすべての介護サービスを対象とし、利用者の状態やケアの内容などの情報を収集している

※詳細は、下記資料をご確認下さい
 厚生労働省:「L I F E(科学的介護情報システム)

■LIFEの活用方法

LIFE(科学的介護情報システム)によって収集・蓄積した情報は、以下サイクルで活用を行います。

  • Plan(計画)
    計画書等の作成。
  • Do(実行)
    計画書等に基づいたケアの実施。
  • Check(評価)
    利用者の状態、ケアの実績等(計画書等の様式等)の評価とLIFEへの記録・入力。
  • Action(改善)
    LIFEからのフィードバック情報による利用者の状態やケアの実績の変化等を踏まえた計画書等の改善。

■科学的介護推進体制加算(LIFE加算)とは

LIFEにより情報提供を実施した介護事業所に対して、加算を行う制度があり、2021年の介護報酬改定において新設されました。
科学的介護推進体制加算は、算定要件より加算Ⅰ・加算Ⅱの2種類に分けられます。

①サービス対象と加算単位

科学的介護推進体制加算_算定要件

②算定要件

加算の取得には、以下の算定要件を満たす必要がございます。

  • 入所者・利用者ごとの、ADL値、栄養状態、口腔機能、認知症の状況その他の入所者の心身の状況等に係る基本的な情報(科学的介護推進体制加算(Ⅱ)では、加えて疾病の状況や服薬情報等の情報)を、厚生労働省に提出していること。
    ※介護老人福祉施設、地域密着型介護老人福祉施設については服薬情報の提出を求めない
  • 必要に応じてサービス計画を見直すなど、サービスの提供に当たって、上記の情報その他サービスを適切かつ有効に提供するために必要な情報を活用していること。

※詳細は、以下サイト・資料をご確認下さい
 厚生労働省サイト:令和3年度介護報酬改定について
 厚生労働省資料:「令和3年度介護報酬改定における改定事項について
 厚生労働省資料:「科学的介護情報システム(LIFE)関連加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順例及び様式例の提示について

2021年にスタートしたLIFE(科学的介護情報システム)は、日本が超高齢化社会を迎える2025年に向け、エビデンスに基づいた高効率・高品質な介護の提供が非常に重要となると見込まれます。

皆さまも改めてLIFE制度確認しご活用することで、エビデンス・PDCAに基づいた介護の提供と加算取得を実現してみてはいかがでしょうか。

スマイリオでは今後も、介護業界に関わるニュースを発信して参りますので、 引き続きのご愛読を宜しくお願いいたします。