介護予防に向けた地域の取組み、「通いの場」とは?
先日(11月3日)の厚生労働白書に関する記事では、地域包括ケアシステムの構築に向けた取り組みの一つとして、 「通いの場」を紹介いたしました。
※記事はこちら(https://www.smilio.jp/news-2/3718/)
近年、厚生労働省が提案する介護予防の推進に向け、高齢者を取り巻く環境へのアプローチを実施する地域づくりの一環として、 「通いの場」と呼ばれる、地域住民のつながりの場が拡大しています。
本日は、この「通いの場」について解説するとともに、 コロナ禍で人々のつながりが制限された昨今、「通いの場」にどのような改善が試みられているのか、解説いたします。
この記事を読むべき人は?
介護予防に関する地域の取組みに興味がある方
「通いの場」の活動に興味をお持ちの方
■「通いの場」って何?
通いの場は、高齢者サロンや集いの場とも呼ばれ、高齢者の方々が「日常的に」「お住いの地域で」「地域の方々とふれあう」ことが出来る場であり、 地域住民が主体となって運営・参加を行い、高齢者であれば誰でも参加できる地域交流の場です。
体操や趣味活動等を行うことにより、地域の介護予防拠点となる活動でもあります。
では、「通いの場」にはどのような特徴があるでしょうか。
■「通いの場」の特徴
対象者 | 高齢者であれば誰でも参加可能です。 中には、地域住民が年齢に関係なく参加できる場や子供と高齢者の交流の場として活動する例もございます。 |
運営 | 有志やボランティア等の個人住民、自治会・NPO法人といった住民団体に加え、 行政や社会福祉協議会、医療機関や民間企業など、運営母体に制限はありません。 あくまで住民が主体的に活動に取り組んでいることが重要視されています。 |
場所 | 地域住民が歩いて気軽に立ち寄れる場所で、個人宅や公民館、公園や学校などが主な開催場所となっています。 |
活動頻度 | 基本的には月に1回以上の活動を継続して実施しています。 参加の強制はなく、自由に参加できるのが特徴です。 |
活動内容 | 体操や会食、趣味活動に加え、農作業やボランティア活動、多世代交流など、様々な活動が実施されています。 |
※詳細は、厚生労働省「通いの場の類型化について(Ver.1.0)」をご確認ください
■「オンライン通いの場」の活用
新型コロナウイルス感染の拡大に伴い、通いの場が閉鎖される状況に対応するため、 国立研究開発法人国立長寿医療研究センターから「オンライン通いの場」アプリがリリースされました。
これは、オンラインで自己管理をしながら、運動や健康づくりに取り組めるアプリケーションであり、
・行きたい場所を設定して、おすすめのお散歩コースを検索・登録できる「おさんぽ支援」
・自治体が提供する体操動画を検索できる「自宅でできる体操」
・フローチャートに基づいて自分に適した運動・活動を見つけることができる「健康チェック」
など、高齢者の健康維持に役立つ機能が搭載されています。
利用料は無料の為、是非介護予防の一環として活用いただけますと幸いです。
※詳細は厚生労働省HP(https://kayoinoba.mhlw.go.jp/article/005/)をご確認ください
■身近な「通いの場」について
厚生労働省は、官民データ活用推進基本法に基づき、 全国の自治体から介護サービス情報公表システムに入力された通いの場データを、csvファイルとして提供しています。
「通いの場」のみならず、様々なデータが公表されていますので、是非チェックしてみて下さい。
※「通いの場」公表データはこちら(https://www.mhlw.go.jp/stf/kayoinoba_opendata_00002.html)
スマイリオでは今後も、介護業界に関わるニュースを発信して参りますので、 引き続きのご愛読を宜しくお願いいたします。